人は、ある日突然、恋に落ちる。そして、恋患いという言葉もあるように、そ
の恋心にとりつかれ、悩みはじめる。白昼夢を描き、仕事も手につかないなど
といった「症状」が出始める。
不思議といえば不思議な現象だが、生理学者は、それはホルモンの働きだと片づ
けてしまう。
身体の成長にともなう自然現象で、一度はだれしも体験することだという。
人が恋心を抱いたり、愛し合うという現象を生理学的に説明されても、何となく
味気ない。また、納得もできない。
なぜなら恋心は青春期の男女だけが抱くものでもない。
一生の間に何回も恋をする人もいるし、年老いて恋をする人もいるのだから。
人はなぜ恋心を抱くのか。
心理学や精神医学的にこんなふうに説明できる。
人は自我の成長にともない、これまでに自分を庇護するという役を果たしてきた
親(おもに母親)との間に、少しずつ距離をとりはじめる。これが、人間が成長
する過程において生ずる一般的な現象だ。
子供の自我がノーマルに成長していれば、その子供は親の庇護から離脱と、自立
することを目指す行動をとる。
母親がそういう子供の自立を促す態度や行動をとるかとらないかによって、その
子供の自立の度合いや速度、時期が影響を受けることになる。
いずれにせよ、究極的には親から子供が自立することが、一人前の人間として健全
に生きていくのに必要なことはいうまでもない。
こうして人は、自立することを目指す。
自分の考えに基づいて生活を営み、自分の判断で行動し、その行動の責任を自分が
とるという生き方を求めるようになるわけである。
ところが面白いことに、親から離反し独り立ちすることを求めるその一方で、今度
は、他人との関わりや結合を求めるという欲求を感ずるようになる。
そして、親密で、お互いに依存し合う関係を求めるようになるのだ。
これは、二律背反の欲求だ。親から離れて自我が育つ(その逆もある。自我が育つか
ら親から離れる)。
そして、その自我によって、親以外の他の人間との関わりを求め、親密な関係を築き
たいと願う。二つの矛盾した欲求だ。
福岡で婚活するなら、高い成婚率で人気の福岡市西区の結婚相談所けい花へ…