生まれたときからずっと「心の友」を探している!
なぜ、人はこういった二つの矛盾した欲求を持ち合わせているのだろうか。
私の答えはこうだ。
人は自我の成長にともない、自立した一人の人間となったときに、「種の保存」
という本能的な欲求を満たそうとする。そのために異性を求め始める。
と同時に、自立した人間であっても、いや、自立した人となったからこそ、自立
の意志で人との関わりを求め、関わり続けたいという欲求を抱きはじめる。
それは、人は他の人との関わりなしには人間になることも、人間として正常な
営みをつづけることもできない存在だからなのだと思う。
これを別の言い方で表現すると、
「人はみな、決して一人では生きていけない。そんな自分を支えて、癒してく
れる心の友(親しい友)を必要としている」からなのだと思う。
また、人は、だれしも一人前の人間としての自己実現を果たしたいという願望
を持っている。
そういう自己実現を求める人生をガイドしてくれるような心の友を必要として
いるからではないだろうか。
実は、そういう心の友を探す旅を、私たちは、誕生の瞬間から(無意識ではあ
るが)はじめているのだと思う。
それが、自我の成長と共に、意識的な心の友探しの旅をはじめるようになる。
そういう心の友が、いろいろな状況の中で、いろいろな形、いろいろな相手と
なって私たちの人生に登場してくるわけである。
ときには、遊び仲間であったり、友人、恋人であったり、同性であったり、異性
であったり。
あるいは自分より年上の人であったり、年下の人であるかもしれない。
いずれにせよ、私たちの心の奥底で、自分にとって支えになる人、自分に癒しを
もたらしてくれる人、人生のガイドとなってくれる人、つまり、心の友となり得
る人を求めながら、友情を結び合い、関わりをつづけていくのだと思う。
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