※けい花 プリザーブドフラワー
新婚旅行には三つの意味があります。
まず、「二人で素晴らしい思い出をつくる最初の機会」ということです。
楽しい思い出をいっぱい共有する夫婦は、強い夫婦です。
このことは、「続婚」という考え方の基本でもあります。
第二は、「お互いが裸の自分を見せる最初の場」であるということです。
それまでは装った、いい顔しか見せていなかった二人が、互いにありのままの素顔
をさらけ出して向き合わざるを得なくなります。
新婚旅行中に本気の喧嘩を始めてしまうカップルは結構多いのですが、考えように
よっては、それは当然のことです。
むしろ、続婚のためにも、避けては通れない道といえます。
第三は、「これから何十年と続く結婚生活のデッサンを描く最初の一筆」ということ
です。
ここで手を抜くようだと、出来上がりはろくな作品になりません。
「最初が肝心」という言葉は、周りの人たちが夫をけしかけるときによく使います。
「最初にガツンとやれ」という意味です。
初々しい新妻のことを、芸を仕込ませる猿回しの猿と同じ、と勘違いしているの
でしょうか。
実は、私も同じ言葉を新郎によく贈ります。
ただし、意味はまったく逆です。
「とにかく、最初のとき、奥さんに思い切りやさしくしてあげてください。後々、
きっとうまくいきます」
ごく普通の女性にとって、結婚式から新婚旅行に至る日々は、一生忘れられないほ
どの体験です。
慣れないことだらけ、強烈な刺激続きで、心も体も極限に近いほど疲れきっていま
すが、そのことを自覚する余裕さえありません。
ここで、夫の側に新妻に対するいたわりがなかったり、結婚したことでつい心を許し
て無神経な言葉を吐いたりすると、妻は「なんでこんな目に遭わなきゃならないの?」
という割り切れなさから、次第に心を閉ざしてしまいます。
新婚三ヶ月間でいい関係を作れなかったせいで、そのまま一年、三年とセックスレスに
なってしまったという夫婦は決して珍しくありません。
思いやりの根底には相手に対する尊敬の念があります。
「最初が肝心」なのです。
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