結婚は二人で決められますが、結婚式は自分たちだけのためのものでは
ありません。
結婚すれば、自分が選んだ人が親より大切な人になります。
その一歩手前の段階で「この人を妻にする、夫にする」ということを親や
お世話になった人々に披露し、共に喜んでもらう、それが結婚式の意味です。
人間としてのけじめです。
もう一つの意味は「独立」のための儀式ということです。
自分が親元から巣立ち、所帯を持つことを宣言し、神様とみんなに「どうか、
これからも見守ってください」とお願いするのです。
「神様」などというと、「日頃信仰心もないのに」と抵抗を感じる人もいるかも
しれませんが、日頃は意識しないものを意識し、普段はしないことをすることに、
結婚式の特別の意味があると思うのです。
妻、あるいは夫に対する大きな意味でのプロポーズだと考えたらいかがでしょうか。
見守ってくれる人は一人でも多いほうがいいです。
見栄を張る必要はまったくありませんが、祝福が多いことは幸せの条件の一つでしょう。
ともすれば、「二人の愛と勇気だけで一緒になるんだ」と本人たちは燃えます。
それはそれでいいのです。
でも、そういうとき、周りの先輩たちは「ご両親は、特にお嫁さんの親御さんはどう
思っているのだろうか」と教えてあげてほしいのです。
田舎の親にも相談せず、自分たちだけで結婚し、「他人はカンケイない。ほっといて
ほしい」と言っていた人が相談に来ました。
赤ちゃんができた途端に気づいたというのです。
「かわいいね、よかったね」と祝福してくれる人が、誰もいないんです。
私は、即座にこうアドバイスしました。
「赤ちゃんをつれて、ご両親の元へ早くお帰りなさい。顔を見せてあげて!きっと待って
おられますよ」
しばらくたって訪ねてきた彼は、私の顔を見るなり、こう言いました。
「仰った通りに田舎に帰ってきました。ホントによかったです。ありがとうございました」
父親と母親は奪い合うようにして孫を抱き上げ、これまで見たこともないようなくしゃ
くしゃの笑顔になったそうです。
「ぼくは、今まで何を考えていたんだろう」と考え込んでしまいました。
彼はそう言いました。
世の中には、じいっと我慢している親がいっぱいいます。
施設も環境も恵まれた有料老人ホームで、入居者のお年寄りに「お子さんやお孫さんは
よく来られますか」と聞いてごらんなさい。
ほとんどの人が、途端にムッとした顔になって黙り込んでしまうでしょう。
心の中では、親もさびしいし、子もさびしいのです。
どんないきさつがあるにしろ、頑なな気持ちはサラリと捨てて、孫を抱けるほうが
幸せであるに決まっているではありませんか。
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