【き】「距離感!」
「き」
「友達以上恋人未満」という言葉があるが、相手との距離で恋愛対象になる可能性を判定することができるのはご存知だろうか?もっとも簡単な方法は、一緒に歩いてみることである。75㎝以上離れて歩くなら友達、45㎝未満なら恋人、その間が友達以上恋人未満の微妙な距離感の関係だ。これは自分の領域にどこまで相手の侵入を許すか、という心理を利用した判定方法で、相手の気持ちが行動にも表れているのだ。さらには、意識せずとも歩調が揃うようなら相性はバツグン!これはシンクロニー現象と呼ばれ、好きな相手を無意識のうちに深層心理の部分で似ているからだ。人間にはパーソナル・スペースと呼ばれている「心理的な縄張り」がある。自分を中心に円を描くようなイメージで広がっており、そこに他人が踏み込み自分の身体に物理的に近づくと、嫌いな相手には不快の念を持つが、好意を持つ相手は受け入れるのだ。さらに、相手に対して好意や好感を持つと知らぬ間に真似をしてしまう、シンクロニー現象がある。たとえば、仲が良く好意を抱いている友人や尊敬する先輩などとしゃべり方や仕草が似てくるという経験はないだろうか。嫌いな相手では、いくら同じ時間を過ごしたとしても、シンクロニー現象は表れないのだが、意気投合すれば初対面でも表情などに現れることがある。このシンクロニー現象は親しい関係ほど起こりやすく、歩くスピードから食事の好みまで似てくるのである。「似る」=同じ価値観を持つ間柄なのだから、恋愛においても相性が悪いはずがない。恋愛感情はなぜ距離に勝てないのか?簡単に言えばコストパフォーマンスが見合わないからだ。これは「社会交換論」と呼ばれ、相手に会いに行くための時間と労力と、得られる満足を、自然とてんびんにかけ、残念ながら遠距離恋愛はコスパが悪いと判断されてしまうのである。さらには「ザイアンスの法則」というものがある。相手との接触回数が多ければ多いほど好感度がアップするが、一度疎遠になってしまうとどんどん離れる距離感とともに気持ちが薄れてしまうのだ。行くのが大変→会う機会が減る→気持ちが薄れる→なおさら行くのが面倒、と悪循環を続ければ自然消滅は必至だから、まずは自分の気持ちをつなぎとめておくのが先決のようだ。もし結婚を考えている相手なら、一度離れて暮らしてはどうか。二人の気持ちを確認する絶好の機会になり得るだろうから。