「近くの他人!」
「ち」
諺とは、昔から、言い伝えてきた教訓や風刺などを短い言葉で表しています。簡潔で分かりやすい言葉ですが、一見して、なぜその言葉がその意味を持つのか分かりません。
たとえば、「石の上にも三年」この諺は、辛いことも辛抱し続ければ、いつかは成し遂げられるという意味で、その由来は、昔のエライ僧侶が冷たい石の上に、何年も座り続けて、ついには悟りを開いたという古事から来ています。
先輩に、仕事を辞めたいと相談して、「石の上にも三年だよ」とアドバイスをもらったとします。この諺の意味を知っていれば「しばらくは我慢しなさい」という意味だと分かりますが、知らなければ「石の上にも三年って何ですか」となり、アドバイスは台無しです。
諺の「遠くの親戚より近くの他人」この意味は、近所に住んでいる他人の方が、遠く離れて住んでいる親戚よりも、いざという時に頼りになるということです。
そもそも、古くから人々は、血縁や家系などの繋がりを大切にし、頼りにしてきました。
家族、親戚なら助け合うのは当たり前で、人間関係において、最も信用できる関係が血縁関係でした。この諺はこの「血縁の絆は強い」ことが前提としてあります。
そして、この諺「遠くの親戚より近くの他人」には、遠く離れていれば、強い絆の血縁関係でも、いざという時には当てにならず、たとえ血が繋がらない他人であっても、助けてくれる人は近所にいるという意味があります。
血の繋がりの絆だけではなく、近所の絆も大切にしなさいという教訓があります。
「遠くの親戚より近くの他人」の由来は、中国の明時代に、孔子・孟子・老子・荘子などの言葉を集めた箴言集(しんげんしゆう)の「明心宝鑑(めいしんほうかん)」にある、「遠水難救近火、遠親不如近隣」だと言われています。
「遠くの親戚より近くの他人」この諺の教訓は、単に物理的な距離のことだけを指しているのではありません。この諺の「遠い」「近い」には、その他にも意味があります。
「遠く離れていると、いくら血の繋がった親戚でも理解できなくなる。でも、毎日顔を合わせ、話をするご近所さんとは、他人だけれど、心が通じている」と人間関係の距離と物理的距離を対比させています。
恋人と遠く離れ、会えなくて寂しい時に、そばにいて慰めてくれた友達に、いつか心が移ってしまった。遠距離恋愛の行く末にありがちです。
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