先日、たまたま会社の昼休みに休憩室でテレビを見ていたら、ちょうどNHK総合チャンネルになっていました。
番組は、ごごナマ「悩める中高年・人生相談 スペシャル」というもので、視聴者からの相談を湯川玲子さんが、ズバッと斬るという趣向のものです。
その中で、「定年後の濡れ落ち葉と化した夫との付き合い方で困っています。」という投書がありました。
濡れ落ち葉?
いつの時代の言葉?
と思ったら、テロップに平成元年に流行った言葉とでました。
定年後にやることがなく、どこにいくにも妻から離れない=つまり濡れ落ち葉という表現がぴったりの夫のことを言うそうです。
平成元年というと今から30数年前、1989年のことで、その頃の年金は60歳からの支給でした。
わずかな期間ですが、定年もそれまでの55歳から60歳に引き上げられ、定年と同時に年金を受け取ることができたので、そのまま働かないで年金生活に入った男性も多かったようです。
まさに戦後に日本を支えてきた人たちで、それを濡れ落ち葉と表現されて、男はつらい生き物だなと思ったものでした。
定年後のサラリーマンの姿は加速度的に変化しているように感じます。
濡れ落ち葉と言われるくらい定年後に働かなくてもよい人は経済的に豊かなので、むしろ誇れる存在です。
もしかして投書された男性は、やることがなくて妻にくっついているのではないかも知れません。
時代遅れな考え方ですが、「奥さんと一緒に過ごせば楽しい」という幻想を持っていたのではないでしょうか。
会社人間として30年以上も働いてきて、家族サービスもしてこなかったお父さんたちは、その償いのために奥さんと一緒にいる時間を持とうとしているのかも知れません。
もうそんな定年後の夫婦関係の神話は崩壊していると思います。
「定年後は奥さんを大事にしてください」とか「定年後は、夫婦で同じ趣味を持ちなさい」なんて前時代的な考えは、捨てましょう。
私は少し前から、定年後の夫婦関係は親友同士のように、お互いを認め、対等に尊重し合う関係が良いと思っています。
それは妻との現在の関係を見ていて、そう感じるようになったのです。
夫婦関係というとなんか、損得勘定も入ってきてドロドロした部分もある感じですが、親友同士というともっとカラッとした印象を受けます。
定年後のイメージ、中高年のイメージは時代とともに変わります。やることがなくてテレビの前から動けないという人はいなくなるでしょう。
だって、60歳になっても、65歳になっても、いや70歳以降までは働かなければいけない時代にもうなっているのですから。
そんな時、夫婦関係というのは主従関係ではなく、フラット関係、つまり親友同士のような関係が良いと私は思います。
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